まあ、大会の時はいつも4時間から5時間しか寝ていないから、気にすることもないけど。
うとうととして、時計を見ると2時前。
また少しうとうととし、のどが渇いた、と冷蔵庫のお茶を飲む。
そして5時。
実際、どれだけ寝たんだか。
■風の花
雨が上がるのは午後になる模様。
7時に会場入りをするつもりだったけれど、雨対策に時間がかかって、予定していた電車よりも7本も遅くなった。
日曜とはいえ7時過ぎの電車はもっと混んでいるんだけど、雨だからか、今日の交通規制を警戒したのか、電車はガラガラ。
隣の駅ででっかいビニール袋を抱えた若い女性が乗ってきて、向かいに座った。
「雨、降ってますねぇ」
思わず声を掛けてしまった。
誰かと話でもしてないと、気が滅入ってしまいそうだったから。
「雨の大会の経験はありますか?」と聞かれた。
大会経験が少ないというから、雨のレースははじめてだったのだろう。
雨対策をしてきていない様子だったので、予備で持ってきたビニール袋を差し上げた。
(もっとも、会場ではスポンサーの東京メトロのロゴ入りビニールポンチョを配布していたが)
彼女のジョギングコースはワタシも時々走る場所。
どうやらご近所のよう。
一人で走っているというので、地元密着の某掲示板をご紹介し、ワタシのハンドルも知らせた。
会場に入り、雨を避けながら橋の下で支度をする。
彼女のウエアにナンバーが付いていない。
変だなぁと思ったら、ウインドブレーカーの背中に付いていた。
「1枚の場合は前に付けるんだよ」と言うと、目を丸くした。
そして、荷物を預けるために別れた。
■不屈の花
スタートの整列エリアに入る。
陸連登録をしているのでスタートブロックはC。
集合の締切は8時45分だが8時35分頃には並ぶ。
声を掛けてくれたのは、去年の秋に大きな故障をしたユングフラウY子さん。
医者にもう走るのをやなさいと言われたと、沈んだ顔をしていた人が、スタートに立っていた。
走れるのが嬉しくて嬉しくてしかたがない! 満面の笑顔が語っていた。
準備してきたビニール袋の上に、配布されたビニールポンチョを被って、身動きができないほどの人の中に紛れれば、寒さはあまり気にならない。
あと2分、1分…、パーン!
スタートの号砲が鳴り、そして数秒後に…、ドッカーン!!
両側に仕掛けられていた筒から何かが飛び出した。
「なんだなんだなんだぁ!!!」
頭の上から紙吹雪が。
手に取ってみるとハート形。
桜吹雪が舞い、42.195キロが始まった。
あの紙ふぶき、ハート形だったんだぁ。凝ってるねぇ。さすが1万円の大会。
桜の花びらを模していたんだと思います。
粋な演出ではあるけれど、コストは高いってことかぁ。
そこまで考えが及ばなかったです(^^;;)。
気が滅入りそうで近くの人と話したこと、
一緒だわ〜。
同じ経験を共有したね〜。
紙ふぶきハートだったよね〜。
あの瞬間、優しい気持ちになった。
あの演出を考えた人に感謝ですわん。
すぐに溶けちゃう素材だったから記念に持ち帰れなかったけど。
優しい気持ちになった、かぁ。
ワタシはテンションが上がったな、あれ見て。
で、突っ込んで撃沈(笑)。